プロ利用者による評価が非常に高い高級キーボード「Happy Hacking Keyboard」を遂に使い始めた。ほんの数日使っただけでその存在感を実感。スペシャリストが研ぎ澄まされた道具を選ぶ理由がよくわかる。
【結論】高級キーボードはただのキーボードではない
パソコンとともに多くの時間を過ごすようになったらキーボードに拘るべきである。
そもそもキーボードなんて数千円からでも買えるしあえて無駄な投資なんてしなくても機能は同じ。
ましてやキーボードとかマウスなど入力機器はパソコン本体と比べればおまけ程度で、あまり意識は向かないかもしれない。
普段使いがノートパソコンならなおさらのことだ。
しかし直接触れる機会が最も多くなるキーボードは「靴」や「洋服」と同じで、それなりに拘ってみる価値はあると思う。
仕事のできる職人は道具に拘る・・・と同じ精神で、仕事道具を蔑ろにしていては結果は出せない。ものだと思う。
・美容師のはさみ
・スポーツ界で名を残している選手はその人のモデルがある
プロ向け高級キーボードの代表格としては、「東プレ RealForce」と「PFU Happy Hacking Keyboard」の知名度が高い。
これまでは仕事の流れから「東プレ RealForce」を使っていたが、最近周りにHappy Hacking Keyboard人口が増えてきた。
その影響を受けHappy Hacking Keyboardを調べるようになってしまった。
東プレ RealForce自体は使っていて打鍵感・重量感供に高級感があり不具合はなかったのだが、社内・自宅、Win・MACと同じキーボードを使いまわす発想は出なかった。
ところが、「HHKB Professional HYBRID Type-S」は、軽量コンパクトなサイズとBluetooth接続、USB接続(Type-C)をサポートし、最大5台のデバイスを切り替え使うことができる。
「HHKB Professional HYBRID Type-S」のサイズ感がコレ ↓
その上キーマップ変更機能までが搭載されていたのだ。
つまり、今まで発想したことがなかった、OS、デバイス、場所を問わず、ひとつのキーボードを使いまわすことができることに気が付いた。
そもそも「HHKB」とは、どんなキーボードなのかを説明すると、プログラマーが理想とする合理的なキー配列をしたプロフェッショナル向けのキーボードで1996年にファーストモデルが発売された。
HHKB Professional HYBRID Type-Sを選んだ理由
キーボードなどには、ほとんどの人は拘らないのが普通で、付属のもので十分と考える。
何故ならどんなキーボードを選んだところで機能についてはどれも同じようなものだから。
しかしながら、せっかくだから自分に合ったキーボードを選んでみようと思った時には、その選択肢の多さと実際に使い比べた時の操作感はそれぞれ全く違ったもので、どれが自分に合っているのか迷走し『沼』が待っているのがこの世界。
数多くのメーカがキーボードを販売していて、おまけ程度の廉価なものから業務使用に耐える高級キーボードまでその種類は数多ある。
デザインにしてもメーカーコンセプトの合わせた軽量薄型のものから重量感あるものまで、利用シーンに合わせて様々あり選択肢が多すぎるのが現実。
そんな中、今回、HHKB Professional HYBRID Type-Sを選んだ経緯を整理した。
静電容量無接点方式
マニアックな話になるが、高級キーボードとして「静電容量無接点方式」という入力方式の採用がポイントになる。
HHKB Professional HYBRID Type-SのType-Sとは、高速タイピング性(Speedy)と静粛性(Silent)を向上させたモデルを意味し、タイピングの心地よさに軽快さが加わった、速さと快適さを追求したプロモデルだ。
使い比べればすぐわかるが、要するに「打鍵感が心地よい」ということ。
一般的なキーボードは電極端子を押し付けて接触させるので指先にカチッとった感触が残るが、「静電容量無接点方式」を採用しているキーボードはこの感触が優しい。
静電容量無接点方式のキーボードの打鍵音はよく、「コトコトコト」と表現されるがまさにその通り。タイピングが気持ちいいキーボードだと言える。
セブン銀行ATMのテンキーがこの「静電容量無接点方式」を採用しているので、機会があれば意識して感触を確認してみるといい。
1台のキーボードで複数デバイスが使える
PFU製品の中の現行のフラッグシップモデルであり、機能もフル搭載されている。
Bluetooth接続、USB接続(Type-C)をサポートし、最大5台までのデバイス接続が可能でショートカットキーで簡単に切り替えられる。
Mac、Windows、iPad、iPhone…どんなデバイスであってもBluetoothでペアリングしておけばサクッと切り替え可能なので、様々なデバイスを使い分ける自分には必然の機能であった。
DIPスイッチを使えば、簡単にキー配列やモードを変更できる。「HHKB Professional HYBRID Type-S」には6つのスイッチが用意されている。
本体背面にあるDIPスイッチをオン・オフする事で、Windowsモード、Macモードなど様々な切り替えが可能になる。
HHKB Professional HYBRID Type-Sの重さが最適
HHKB PRO HYBRIDに乾電池を入れた状態での重さは585gで極端に軽いことはないが、フルサイズのキーボードと比べればよりグッと軽い。
それでいて、キー入力中はドッシリと机に鎮座するため安定感も十分。
またコンパクトな筐体であるため、ノートPCなどと一緒に持ち出してもさほど負担になる重さではない。
HHKB Professional HYBRID Type-Sはデザイン性と利便性を兼ね備えている
デザイン性も利便性も取りたいと考えた時、HHKB Professional HYBRID Type-Sであればその両方を兼ね備えている。
今回はHHKB Professional HYBRID Type-Sの中からキー配列は「US配列」、カラー「墨」を選択した。
理由は、US配列のキーボードはJIS配列と比べキー数が少なく(60個)よりコンパクトであり、カラーを「墨」にすることで印字がそれほど気にならないからである。
また、US配列であればキーに文字が印字されていないキートップセットがKBDFANSから用意されていいて、完全なるプロフェッショナルモデル「無刻印」にすることもできる。
キーボードを変えることなく、キートップだけの交換で雰囲気をガラッと変える事ができるので、自分だけのHHKBにカスタマイズすることでより愛着が湧くだろう。
長時間タイピングしても疲れにくい構造
HHKBをサイドから見ると湾曲した変わった形をしているのが分かる。
このカーブによって正確なキー位置が分かりやすく、また指がフィットしてキーが打ちやすくなっている。
キー荷重(キーを押した時の重さ)は全てのキーが45gになっていて、程よい過重であるためミスタイプが減って確実なタイピングが出来ると思われる。
HHKB Professional HYBRID Type-Sのメリット・デメリット
MacBook Proなど、多くのラップトップはキーストロークが浅いが、「HHKB Professional HYBRID Type-S」のキーストロークは3.8mmと数倍深い。
そのため普段薄型のキーボードに慣れてると、HHKB Professional HYBRID Type-Sのキーストロークの深さに慣れるまで違和感を感じるかもしてない。
慣れの問題ではあるが、このキーストロークの深さがHHKB Professional HYBRID Type-Sの心地よい打鍵感を生み出している。
しかし、キーの跳ね返りが良いため、指がキーに引っかかるようなことは全くない。
キーボードの角度は背面の足によって3段階の「傾き調整」が可能ではあるが、キーボードの厚さがそこそこあるため、パームレストは必須アイテムになってしまう。
ただパームレストを使うことで手首への負担は軽減され、逆に長時間キーボードに向かい続けるのであれば、肩こりや疲れの軽減が大いに期待できる。
それからHHKB Professional HYBRID Type-SではBluetoothによる無線接続において電源を必要とするが、バッテリーは充電式でない。
キーボードに充電式バッテリーを内蔵してしまうと、キーボードの寿命がバッテリーに左右されることにもなるためこの仕様となった。
HHKB Professional HYBRID Type-Sを外に持ち出さなく、デバイス側にUSB-CのポートがあればUSB-C接続で常時通電はできる。
ちなみに、一般的なアルカリ乾電池による動作時間は約3カ月。
仮に外出先でバッテリーが切れてしまった場合、モバイルバッテリーを接続することでBluetooth接続も可能だ。
この記事のまとめ
世の中には多くのキーボードが販売されている。自分にぴったりのキーボードを見つけ出すのは『沼』でもある。
ここまで「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S」を紹介してきたが、熱心なファンがいることも納得できる最上級のキーボードだと再確認することができた。
仕事をする上で、最上級のパフォーマンスを発揮するのであれば、仕事道具にはこだわりを持ったほうがいい。プロのアスリートがシューズ等にこだわるように、プロとして仕事をしているのだからキーボードに投資するのは至極当然の発想。
最高のキーボードであることは間違いない。興味を持った人は是非、手にとって確かめてみてほしい。