話題の高級腕時計であれば、無限に予算があったとしても簡単に買えるレベルの競争率ではない
先日スーツを新調するためにため出向いたら、店員に腕時計について声をかけられた。
雑誌に掲載されていモデルに似ていたらしく気になったらしい。さすがアパレル産業の人はこの辺り敏感です。
そもそも高級腕時計に必要性はあるのか【時計というよりアクセサリ】
長い間ロレックスが腕時の世界シェア1位であった。
そして今では世界で最も売れている時計、すなわち利用者が最も多い時計は、アップルウォッチとなり。
シェアトップの座はアップルがとって変わった。
つまり世の中の多くの人は機械式で定期的に高額なメンテナンス費用が必要となる高級腕時計の必要性は感じていない。
ほとんどメンテナンスの必要がないアップルウォッチは、『時間がわかるだけではない』 のメーカー標語の通り、いろんな機能が備わっており便利なガジェットである。
コンビニや駅ナカで買い物もできれば、日本であれば電車やバスにだって乗れる。
それに対し機械式の高級腕時計といえば時間がわかるだけ。
強いて言えばストップウォッチ機能を備えたものもあるが、それはデザインであって機能としては誰も使わない。
それなのに値段は100万円を超えてくる。
・・・そんな高級腕時計にニーズはあるのかと、思いを馳せて周りを見てみると・・・
高級腕時計、付けてる人はチラホラいる。いや結構いると言っていいほど見かけることになる。
百貨店の輸入時計コーナーへ足を運ぶとサロンで購入手続きをしているシーンもよく見かけるのでニーズは皆無でないことは分かる。
なぜ、人は高級腕時計を購入するのかを考えてみた。
高級腕時計は時間を知るだけのものではなく、いわば平安時代の貴族が烏帽子でその身分を表したように人の階位を示す(もちろん非公式な自己満足の世界だ)ものかもしれない。とそう感じた。
つまり人は高級腕時計には、自己表現するためのアクセサリーとしてニーズがあるのだと思われる。
そして高級腕時計に限って言えば人が時計を選ぶのではなく時計が人を選ぶ世界があり、その事実がまたロマンを高めているのではないだろうか。
高級腕時計を付けることで一目置かれる
高級腕時計を身に着けているとあらゆる場所で一目置かれるのは間違いない。
周りからの見られ方が変わってくる感じを受けるが、それは錯覚ではなく事実。あからさま視線を感じる物理的現象を体験することができる。
そしてどんな恰好をしていても高級腕時計の力で対面する人の対応を変えてしまう。
高級腕時計は、金銭的余裕が無いと買えないと思われているから、簡単に人の見る目を変えることができる。
高級腕時計を所有しないことには分らないことだが、あえて付け加えておく。
高級腕時計に気づく人は想像以上に多い。
高級腕時計はその人の世界観を変える
高級腕時計のオーナーになることで回りが勝手に、その腕時計に相応しい世界へと変わっていく。
気が付けば他の所有者と同じステージに上がっている。それまでは見えなかった景色が開けてくるのだが、この変化だけは言葉で表すのは難しい。
オーナーになって初めて体験できる空気があるとだけ言っておく。
高級腕時計の定義と売値相場について
高級腕時計になるかならないかは値段設定で決まると思われるが、その値段的な定義は難しい。
一般的な感覚では、10万円を超えてくれば高級の部類になってくると思う。
しかし、この場で高級腕時計として定義しておきたいものは、デジタルやクォーツ、ファッション系ブランドから出されているジュエリーウォッチなどは対象外としたい。
(これらにも高額時計があるのは知ってるけど・・・高級腕時計とは値段だけではなく、時計の生い立ちも踏まえて捉えたいので)
そこで高級腕時計としては、値段的には100万円程度をスタートラインとして定義しておくことにする(非常に感覚的ではある)。
またブランドを指定すると高級腕時計というものがさらに明確になるのでまとめてみる。
(あくまでも知名度が高く、銀座中央通りや並木通りなどに路面店が出ているブティックのみ)
スイス製の機械式腕時計が傑出していてメインとなってくる。
一般層を対象にしているブランド(100万円から300万円あたりの腕時計)
・ロレックス
・IWC
・ブライトリング
・フランク・ミュラー
・ゼニス
・ウブロ
特定の富裕層を対象としているブランド(200万円あたりから数千万円程度と幅ひろく億超えも普通にある)
・パテックフィリップ
・オーデマ・ピゲ
・ヴァシュロン・コンスタンタン
・ブレゲ
・リシャール・ミル
・ユリス・ナルダン
スイス製以外の高級機械式腕時計ブランド
・A.ランゲ&ゾーネ(ドイツ)
・ハリーウィンストン(あえてニューヨークとする)
といった感じで、100万円あたりから上は天井なしといったところが高級腕時計の価格帯である。
高級腕時計は日本においては古くからロレックスの知名度が最もは高い。そして昨今はLVMHグループお得意の雑誌やCMスポンサー戦略を展開し露出度が上がっているウブロやゼニスなども人気がある。
そしてこれらのブランドは一部高額なもので500万円くらいのモノもあるが、売れ筋は販売価格が100万円あたり。
高級腕時計は値崩れしない
20年前にプレ値の80万円で買ったロレックスが270万円で売っていた。試しに下取り査定しててみたら240万円と提示された。それから1年経過しコロナ不況となった今でも値崩れはしていないどころか、さらに販売価格は上がっている。
この例に限らず、供給不足からくる相場価格の上昇例は数えきれないほどある。
・パテック・フィリップ(ノーチラス5711)
・オーデマ・ピゲ(ロイヤルオークのステンレスモデル)
・ロレックス(スポーツモデル全般、デイトナシリーズ、サブマリーナ・・・)
等々、その例を挙げれば枚挙にいとまがない。
高級腕時計は確かに高額ではあるが、仮に手放すことになったとしても購入時と目減りすることなく売却することができる。
高級腕時計に潜む魅力の秘密
高級腕時計が値崩れしない理由の一つに、人気モデルに限った話しだが新品価格より中古価格が高騰してしまう不思議な現象が多発するからだ。
なぜ中古の値段が新品よりも高くなってしまうのかの理由は、新品はどこのブティックでも上得意顧客にしか販売しないからだ。
すなわち、「人が時計を選ぶのではなく、時計が人を選ぶ」の構造になっている。
普通に一見の客が新品で購入するとなれば、それは何年も予約待ちすることになる。
そもそも予約を受付けてけくれればの話であり、大抵は予約すら限られた人数だけで普通は無理。
ブティックで新品を予約している上得意顧客の中には販売業者も多数混じっているし、転売屋ももちろん参戦している。
高級腕時計のメッカは言わずと知れたスイス。
そして、高度な加工が機械でできてしまう現代でも、ハンドメイドにこだわるのがスイスブランドの魅力。
つまり、機械式の高級腕時計の製造数は限られ、供給が全く追いつかないため中古をプレ値で買うことになる。
そのような背景から特定ブランドの人気モデルとなるとそれらの入手は極めて困難。それは金銭的なもののみならず過剰な競争を乗り越え手に入れることになるからだ。
それ故、値崩れは起こさないし詳しく知る人からは羨望の眼差しを受けることになる。
超高級輸入車や都心一等地の高級マンションと何ら変わりはない。
高級腕時計はメンテナンス費用がバカにならない
高級腕時計はたいてい機械式なのでメンテナンス費用が掛かる。そのためメンテナンス費用がバカにならないことは事実としてある。
その費用は時計の機構によりさまざまで、シンプルなもので5万円から、クロノグラフのように複雑なものとなると10万円以上、とあるブランドの中には30万円以上のものまである。
これは車の車検と同じものと捉えておけばいい。
一般的には3年から5年に一回オーバーホールをすることが勧められれている。
しかし、一定期間で必ずオーバーホールが必要かというと、そうでもないと感じている。
自分所有するRolex Daytona 16520は購入後20年以上経つ昨年までオーバーホールは避けてきた。
オーバーホールといいても2か月の期間を要するが、その間の代替時計がなかったし、20年以上使い続けているにも拘らず一度もトラブルらしい不具合は全くなかったからだ。
他にも5~10年程度経過した時計を持っているが、どれひとつとしてオーバーホールしていないが不具合を起こしているものはない(*これは偶々かもしれないので絶対大丈夫とは言っていない)。
しかし、Rolex Daytona 16520はさすがに小傷も増えてきたこともあって、昨年研磨洗浄も兼ねメーカーオーバーホールに出した。
メーカー依頼でなければ(メーカーが修理委託している専門店などが受付けている)費用の節約ができるが、製造中止から20年近く経ているRolex Daytona 16520は無理とのことでメーカーオーバーホールとなった。
細目に5年めどにオーバーホールしても、20年に一度のオーバーホールであっても、一回当たりの費用は同じであることは付け加えておきたい。
この記事のまとめ
余裕があるなら貯金より高級腕時計を購入しておくのがよいと考える人が少なくない。
高級腕時計は資産価値が高く高額ではあるが売却する先も競争状態で購入してくれるから結構いい値段で売れるし価値が上がることすら珍しくない。
そしてここで付け加えておきたいことがある。
高級腕時計を購入してる人がすべて現金一括払いで買ってるわけではないという事実。
むしろ分割で購入してる人の方が圧倒的に多いという話を有名ショップから聞いたことがある。
そして多くの有名店では、ジャックス(JACCS)やオリコ(ORICO)と提携していて、60回無金利販売を行っている。
60回払いと言えば5年もの長期間を要するわけだが、高級時計は一生ものといった感覚購入するもの。
車などとは違い、高級腕時計のデザインは完成の域に達していてモデルが変わっても資産価値は下がらない。
一括で払おうが60回に分けて払おうが総支払額は同じ。
であれば大きな負担を負うことなく60分割で手に入れることは吉。と考えてもよいかも。