LAN(4章)

LANの概要

LANとは
LAN(Local Area Network)は組織内や家庭内、同一建物内などの比較的狭い範囲で構築されるネットワークで、以下のような特徴があります。

  • ユーザ自身でネットワークを敷設(機器等の準備も必要)
  • LANにおける通信費用は発生しない
  • トラブル時はユーザ自身で対応

LANは、OSI基本参照モデルの物理層およびデータリンク層に相当する機能を持ちます。LANに接続するコンピュータや接続装置などをノード(node)といいます。また、ノードがLANで伝送するデータ全体をフレーム(frame)といいます。媒体の種類によって、ケーブルでノードを接続して伝送する有線LANと、データを電波に乗せて伝送する無線LANの2種類があります。

現在幅広く利用されているLANの規格は、IEEE802委員会(米国電気電子技術者協会)によって標準化されており、技術仕様が公開されています。IEEE802委員会は技術仕様によって、複数のワーキンググループ(WG)に分かれて標準化の策定を行います。現在もすべてのWGが活動しているわけではなく、その技術が古くなったり、開発に値しないと判断されたりした場合は、WGは解散されます。
現在、7つのWGが活動中となっています。

WG策定内容 備考

IEEE802.1 LANのアーキテクチャ、プロトコル、セキュリティ等全般
IEEE802.3 Ethernet(旧名称CSMA/CD)
IEEE802.11 無線LAN Wi-Fi
IEEE802.15 無線PAN(Personal Area Network) Bluetooth、ZigBeeなど
IEEE802.18 無線規制に関する技術諮問グループ(TAG)
IEEE802.19 他の標準技術との共存に関する技術諮問グループ
IEEE802.24 スマートグリッド、IoT等に関する技術諮問グループ
表 2 現在活動中のIEEE802WG(2021年現在)

LANの構成要素

LANに接続するコンピュータには、通常標準でNIC(Network Interface Card)が搭載されています。デスクトップ型や一部のノート型コンピュータには有線LAN用のNICが内蔵されています。また、ノート型コンピュータやスマートデバイスなどには無線LAN用のNICが内蔵されています。

NIC(Network Interface Card)は、コンピュータや接続装置をLANに接続するための装置です。近年は、ネットワークに接続して利用するコンピュータが一般的となり、ほとんどのコンピュータ本体に内蔵されています。また、無線LANを利用するノートPCやモバイルデバイスには、無線用のNICが内蔵されています。

図 16 EthernetのNIC

  • コンピュータをネットワークにつなぐための拡張部品をNIC(Network Interface Card)という。
  • LANカード、ネットワークアダプタ、ネットワークカードとも呼ばれる。
  • 有線LAN、特にイーサネットに対応するものが多い。

伝送媒体は、コンピュータが通信相手にデータを伝送するための媒体です。
LANの伝送媒体として、有線では、銅線(メタルケーブル)やガラス繊維など(光ファイバケーブル)で構成される伝送路上を信号が流れて相手に届けられます。



図 17 伝送媒体

また、無線では、空気中に存在する電波を媒体として、信号を電波に乗せて伝送します。

コネクタは、コンピュータをLANに接続するために、ケーブルに装着されるハードウェアです。ケーブルの両端に装着し、NICと接続して使用します。装着するケーブルの種類や形状によって、使用するコネクタは異なりますが、近年のコンピュータではEthernet(イーサネット)用のRJ-45コネクタが搭載されています。


図 18 RJ-45コネクタ

接続装置とは、データをやり取りする機器(コンピュータなど)を中継する装置です。コンピュータと接続装置、または接続装置間をケーブルで接続することによって、伝送距離を延長できます。また、接続装置は複数のNICを備えているため、複数のコンピュータを接続できます。これにより、ネットワークの規模を拡張できるようになります。

プロトコル

近年のコンピュータはほとんどが標準でLANに接続できるよう構成されています。Windows OSやmacOS、また、モバイルOSであるiOSやAndroidにもIEEE802規格に対応できるようになっており、特にユーザが設定することなくLANのデバイスが利用できるようになっています。

LANのトポロジ

バス型

バス型は、1本の基幹ケーブルに複数台のノードが接続される形態です。複数の基幹ケーブルを接続装置でつなぐことによって、大規模なネットワークを構成できます。幹線ケーブルには、1本1芯の同軸ケーブルを使用します。
あるノードが通信を行うと、データはネットワーク内のすべての方向に流されます。基幹ケーブルのすみずみにも信号が流れていきます。ケーブル両端に届いた信号はターミネータ(終端装置)が吸収し、信号が反射して電気信号が破損しないような仕組みになっています。
あるノードが故障した場合の影響は限定的ですが、基幹ケーブルが故障すると通信不可となります。

図 19 バス型

  • バスと呼ばれる一本の同軸ケーブルに複数のノードを接続するトポロジをバス型トポロジという。
  • バスの終端には電気信号の反射によるノイズを防ぐターミネータ(終端抵抗)が取り付けられている。
  • 1か所でも断線すると全体が機能しなくなり、拡張性も低いため現在はあまり使われない。

リング型

リング型は、ノード同士を1対1でリング状に接続する形態です。リング内は一定方向にデータが流れるようになっており、あるノードから送信されたデータは隣接ノードへ順番に送られていきます。
リング内を流れる速度を上げることによって、バス型と比較して高速化が実現できますが、ノードまたはケーブルのいずれかが故障した場合は、いずれも通信不可となります。

図 20 リング型

  • ノード同士を輪のようにつなげたトポロジをリング型トポロジという。
  • トークンという信号が周回しており、これを受け取ったノードのみがデータ送信可能になる。
  • 順番に送信していくためトポロジ内でデータの衝突は発生しない。

スター型

スター型は、ケーブルをノードと対向する集線装置(HUB、スイッチなど)に接続する形態です。企業や家庭内で設置されるLANはほとんどスター型であり、現在主流となっている接続形態です。
ノードやケーブルの故障による影響は限定的ですが、集線装置が故障すると、接続しているすべてのノードが接続不可となります。


図 21 スター型

  • 1つの集線装置(ハブ)を中心にノードを接続するトポロジをスター型トポロジ(またはハブアンドスポーク)という。
  • 扱いやすく耐障害や拡張性に優れるため、現在のLAN構築で最も一般的に使用されるトポロジである。
  • 大量ノードに対応するためハブ同士を接続してスター型トポロジを拡張させることがあり、これを拡張スター型トポロジという。

Ethernetの概要

Ethernetとは
Ethernet(イーサネット)とは、デファクトスタンダード(事実上の標準)として利用されている、最も普及している有線LANの規格です。OSI基本参照モデルの物理層およびデータリンク層の機能が定義されています。

  • イーサネット(Ethernet)は物理層~データリンク層を規定するコンピュータネットワーク規格の一つ。
  • LANの物理層~データリンク層はほとんどがイーサネット規格で設計されている。現在ではLANだけでなくWANにも広がるなど、ネットワークの発展とともに進化し続けている規格である。

Ethernetはもともと、1980年にDEC社(現HP社)など3社が共同で発表した規格がベースとなっています。以降、機能拡張という形で改訂を続けており、以下のようなさまざまな規格が登場しています。これらの規格は、伝送速度や利用するケーブルが異なります。このような技術仕様の違いは、OSI物理層(第1層)に相当するものです。

現在は、IEEE802.3ワーキンググループ(WG)によって標準化されており、技術仕様が公開されています。

  • IEEEはデータリンク層を更にMAC副層(Media Access Control)とLLC副層(Logical Link Control)に
      分けた
  • MAC層ではケーブルや無線といった伝送媒体に依存するフレームの伝送方式に関するルールを定義。イーサネットはIEEE802.3無線LANはIEEE802.11といった具合で媒体ごとに規格が定義される。
  • LLC副層は媒体に依存しないIEEE802.2という共通規格を定義


Ethernetの規格名称

Ethernetの規格名称は、技術仕様による命名規則があります。例えば、「1000BASE-T」という名称の規格は、「1000」「BASE」「T」の3つの部分に分けることができ、それぞれ、伝送速度、伝送方式、ケーブル種等を表しています。

図 22 Ethernetの規格名称

  • IEEE802.3では伝送媒体に応じて様々な企画が用意されている。
  • 規格の命名は「通信速度」、「伝送方式」、「ケーブルの種類」の3分で構成される。

伝送速度
上記の「1000」は、Ethernet規格における最大伝送速度を表しています。LANに限らずネットワークの速度は、何個のビットを1秒間に送信できるかによって表現します。
Ethernetの規格では、この値が1000までは、単位はMbps(Mega bit per second:メガビット/秒)で表現します。上記の例では値が1000なので、1000Mbps(=1Gbps)、つまり、1秒間に1,000,000,000ビットのデータを伝送できることになります。
また、値が1000以上では、10G、100Gなどのように、補助単位のG(ギガ)が付けられ、10GBASE、100GBASEなどのように表します。

伝送方式
上記の「BASE」は、規格で定められている伝送方式を表します。伝送方式とは伝送路に電気信号を流すための方法です。伝送方式には、ブロードバンド伝送方式(「広帯域幅」という意味であり、「高速」ではない)と、ベースバンド伝送方式の2種類があります。このうち、Ethernetではベースバンド伝送方式が採用されており、Ethernetの規格ではすべて「BASE」となります。

上記の「T」の部分には、規格によってさまざまな文字や数字が表記されます。

ケーブル種等

「5」または「2」:Ethernetの伝送距離を表します。
「5」…10BASE5の伝送距離(500m)
「2」…10BASE2の伝送距離(185m≒200m)
「F」「T」など:ケーブルの種別を表します。
「F」…光ファイバケーブル
「T」…ツイストペアケーブル

MACアドレス

MACアドレスとは
MACアドレスとは、Ethernet通信において、それぞれのノードを識別する48ビットのアドレス情報です。MACアドレスはNIC内部に装着されるチップなどに書き込まれており、NICを識別するために、それぞれ異なるアドレスが割り当てられています。

図 23 MACアドレスのイメージ

  • MACアドレスはコンピュータのNICやネットワーク機器の各ポートに対し製造時に重複なしに付与された番号(アドレス)で、フレームの送信元や宛先を識別するためにデータリンク層(レイヤ2)で利用される。
  • 物理アドレス、ハードウェアアドレスとも呼ばれる。
  • 48ビット(6バイト)からなり、16進数12ケタで 「-」 「:」 「.」 のいずれかで区切って表記される。

MACアドレスの構造
MACアドレスは全48ビットのうち、前半24ビットと後半24ビットの2つの部分に分けることができます。ベンダコードとNIC固有番号を組み合わせることにより、世界で唯一のアドレス情報になります。

図 24 MACアドレスの構造

  • MACアドレスの前半24ビットはOUI(Organizationary Unique Identifier)と呼ばれるIEEEが各製造会社に割り当てた番号を表す。OUIはベンダーコードとも呼ばれる。
  • 後半24ビットは各製造会社が製品に割り当てた番号を表す。シリアル番号とも呼ばれる。

ベンダコード(前半24ビット)
前半の24ビットの部分は、OUI(Organizationally Unique Identifier)といい、製造者(ベンダ)を識別する番号です。ベンダコードとも呼ばれます。OUIは、IEEEによって全世界で一元管理されていて、異なるベンダが同じ番号とならないようEthernet機器のベンダに割り当てられています。

NIC固有番号(後半24ビット)
後半の24ビットの部分は、各ベンダが自社で製造したNICごとに重複しないように管理する、装置ごとに異なる番号です。ベンダコードと、NIC固有番号が互いに重複しないことにより、全世界で固有のMACアドレスとなります。
また、ベンダがNIC固有の番号を使い切ってしまう場合には、ベンダがIEEEに申請し、追加でベンダコードを発行してもらうことが可能です。 

MACアドレスの表記
MACアドレスは、1バイト単位にコロン「:」またはハイフン「-」で区切り、16進数で表記します。2進数を16進数に変換するには、ビットを4桁ずつに区切りそれぞれを16進数で表現します。そのうえで、1バイト単位に区切って表記しますので、16進数2桁で区切ることになります。

図 25 MACアドレスの表記


なお、2進数と16進数の対応は以下のとおりとなります。

2進数 0000 0001 0010 0011 0100 0101 0110 0111
16進数 0 1 2 3 4 5 6 6
2進数 1000 1001 1010 1011 1100 1101 1110 1111
16進数 8 9 A B C D E F

表 4 2進数と16進数の対応表

アクセス制御方式

アクセス制御方式とは
初期のEthernetでは、1つの伝送媒体上に複数のノードを設置するバス型トポロジを採用していました。バス型の場合、1本1芯の同軸ケーブルを使用します。いずれかのノードがデータを送信すると、伝送路はそのノードに専有され、一方向にのみデータが流されることになります。

この時、あるノードと他のノードが同時にデータを送信すると、タイミングによっては伝送媒体内で電子信号が衝突(コリジョン)を起こしてしまうことがあります。電子信号が衝突すると、信号が破損してしまい、相手にデータを送信できなくなります。つまり、初期のEthernetで正常に通信するためには、伝送路を誰も使用していない状態でなければならなかったのです。


図 26 コリジョンの発生

そこで、伝送路を共有する複数のノードが、コリジョンを回避し、伝送路を効率よく利用するための伝送方法が考えられました。各ノードのNICが伝送媒体上の状況を把握し、通信制御を行うことから、媒体(メディア)アクセス制御(Media Access Control:MAC)といいます。

CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection:衝突検知付き搬送波感知多重アクセス)とは、初期のEthernetにおいて採用されたアクセス制御方式です。

CSMA/CDでは、個々のノードを識別するためのMACアドレス、データ送信タイミングの制御、データ送信時のデータ長などが定義されています。CSMA/CDは、1980年にDEC社(現HP社)、Intel社、Xerox社の共同によって公開された仕様をベースに、1983年にIEEE802.3(10BASE5)規格として標準化されました。

CSMA/CDにおけるアクセス制御方式は、大きく以下の2つのルールで定義されています。

メモ

誰も伝送路上で通信していなければ、いずれのノードにもデータ送信する権利がある(早い者勝ち)
衝突が発生した場合は、一定時間後に再度データ送信する

  • CSMA/CDはイーサネットで使用される媒体アクセス制御方式のひとつ。
  • 一定時間(IFG)のアイドル状態を確認してから送信する。
  • コリジョンが発生したらジャム信号で全ホストに知らせた後、バックオフで再送処理を行う。

Carrier Sense(搬送波感知)

伝送路上で、どのノードも通信していないときには、データを伝送するための信号が流れています。この信号を搬送波(キャリア)といいます。データを伝送する際には、この搬送波の形を変えて(変調)送信します。
各ノードは常に伝送路上のキャリアを検知しており、伝送上でデータが送信されているかどうかをチェックします。これをCarrier Sense(搬送波感知)といいます。

 Multiple Access(多重アクセス)
伝送路上でデータ送信をしたい場合は、伝送路上が空いていれば(誰も通信していなければ)、いつでも、どのノードでも平等に伝送する権利を持ちます。複数のノードがこのような権利を持つことをMultiple Access(多重アクセス)といいます。


 データ送信
ノードがCarrier Senseにより、他のノードが通信していないことを確認すると、データが送信されます。送信されたデータは、ケーブル内のすべての方向に伝送されます。
電気信号はケーブルの終端に届くと、反射して後続の電気信号と衝突を起こしてしまいます。これを防ぐために、ケーブル終端にはターミネータ(終端装置)が接続されており、ケーブル終端まで届いた電気信号を吸収します。これにより電気信号同士がケーブル終端で衝突しないようになっています。

また、データはネットワークに接続されているすべてのノードにも届きます。各ノードはデータの受信処理を行う前に、届いたデータの宛先MACアドレスが自ノードのMACアドレス宛かどうかを確認します。自ノードのMACアドレス宛であれば受信処理を行い、他ノードのMACアドレス宛であれば破棄します。


 Collision Detection(衝突検知)
データ送信時のCarrier Senseで、伝送路上で誰も通信していないと判断しても、他のノードがほぼ同時にデータを送信してしまう場合があります。この場合、伝送路上でコリジョンが発生し、データが破損してしまいます。

データのコリジョンが発生すると、当然のことながら、相手にデータが届かないため、再度送信する必要があります。CSMA/CDでは、データ伝送中にコリジョンが発生したかどうかを検出する機能があり、これをCollision Detection(衝突検知)といいます。コリジョンが発生すると、すぐに通信を中止するのではなく、破損したフレームを一定時間送り続けます。この破損したフレームをジャム信号といい、伝送路上のすべての方向に伝送されます。このジャム信号を受信すると、電圧が大きく変化するため、各ノードは伝送路上で衝突が発生したことを検知できるようになっています。

送信元のノードは、データ伝送中にジャム信号を受信した場合、伝送路上でコリジョンが発生したことを検知します。伝送中のやり取りはいったんすべてリセットされ、その後、一定時間経過後に再度Carrier Senseからやり直し、データを再送します。

図 32 ジャム信号の受信



[参考]EthernetⅡフォーマット
Ethernetで使用されるフレームフォーマットは、全部で4種類あります。最もよく使用されるEthernetⅡフォーマットです。EthernetⅡフォーマットには、以下のような情報が格納されます。

 宛先MACアドレス
フレームの送信先のMACアドレス(48ビット)を記述します。
 送信元MACアドレス
フレームの送信元のMACアドレス(48ビット)を記述します。
 タイプ
Ethernetの次に処理する上位プロトコルを指定します。
 データ
送信対象のデータを格納します。
 FCS(Frame Check Sequence)
フレームの送信途中に内容の喪失や破損が起きていないかをチェックするための誤り検出符号です。Ethernetでは誤り検出符号としてCRC(Cyclic Redundancy Code)が採用されています。

接続装置

接続装置とは
接続装置とは、LAN内のノード間や、LANとLANの接続(LAN間接続)を中継する機器です。接続装置には、OSI基本参照モデルの物理層(第1層、レイヤ1)、データリンク層(第2層、レイヤ2)、ネットワーク層(第3層、レイヤ3)の機能をサポートする装置があり、どの階層の機能をサポートするかにより、接続装置の動作や中継するネットワークが異なります。
主な接続装置は、以下のようなものがあります。


図5 主な接続装置

レイヤ1レベルの接続装置

レイヤ1レベルの接続装置は、OSI基本参照モデルの物理層の機能によりネットワークを中継します。物理層では、伝送路上にビット列を伝送するための物理的・電気的条件を規定しています。
EthernetなどLANの規格では、ケーブルの種別などにより最大伝送距離が定義されています。ケーブル内を流れる電気信号は、伝送距離が長くなるにつれ、媒体の抵抗や外部からのノイズなどにより信号が減衰するためです。レイヤ1レベルの接続装置は、減衰した電気信号を受信して増幅、復元し、装置を越えた先のケーブルへと中継することにより、規格で定められた最大伝送距離を延長したネットワーク通信を可能にします。

なお、レイヤ1レベルの接続装置によって中継されたネットワークは、電気的に延長されただけであり、単一のネットワークとしてみなされます。そのため、あるノードが送信したフレームは、リピータによって接続されたネットワーク全体に届けられます。
レイヤ1レベルの接続装置には、リピータ(バス型)やHUB(スター型)があります。


図 34 リピータ

  • リピータはリピータ機能(波形の増幅・再生)のみを持ったレイヤ1で動作するネットワーク機器。言ってしまえば終戦機能しか持たないハブ。


図 35 HUB

レイヤ2レベルの接続装置

レイヤ2レベルの接続装置は、OSI基本参照モデルのデータリンク層の機能によりネットワークを中継します。データリンク層では、ケーブルなどで直接接続されたノード間同士が通信できるための隣接ノード間通信の機能を規定しています。

リピータやHUBなどのレイヤ1レベルの接続装置は、単純にネットワークを延長する機能しか持ちませんが、レイヤ2レベルの接続装置は、隣接ノードを識別するアドレス情報をもとに、隣接ノード間通信において通信相手を識別できます。

Ethernetでは、各ノードはMACアドレスで識別されており、相手のMACアドレスを宛先に指定することにより、データ(フレーム)を宛先ノードに届けることができます。レイヤ2レベルの接続装置は、フレームを受信すると、フレームに記述された宛先MACアドレスを読み取って、宛先のノードが接続している先へとデータを伝送します。

レイヤ2レベルの接続装置には、ブリッジ(バス型)やスイッチングHUB(スター型)、L2スイッチ(スター型)などがあります。

  • ブリッジやスイッチといったL2デバイスはL1デバイスと違いフレームを読み取ることからMACアドレス、つまりノードを識別するための情報を扱うことができる。
  • これを学習することにより、送る必要のないノードには送らないといった制御ができるようになる。


 フレームのフィルタリング・フォワーディング
レイヤ2レベルの接続装置は、レイヤ1レベルの接続装置と比較して効率的にフレームを伝送できます。

  • スイッチもブリッジも宛先MACアドレスがどのポートに接続されているかを判断し、接続のあるポートにのみフレームを転送する。これをフィルタリングと呼ぶ。
  • フィルタリングはハブの機能にポートを閉じる機能が加わったものとイメージするとよい。

 ブリッジによるフレーム伝送
バス型トポロジで使用するブリッジは、ネットワークを中継するためのポートを2つ持っています。あるノードがフレームを送信すると、あらゆる方向に伝送され、ブリッジにも届きます。ブリッジは、ネットワーク上を流れてきたフレームを受信すると、フレームをもう1方のポートに転送するかどうかを判断するために、フレームヘッダに記述された宛先MACアドレスを読み取ります。
また、ブリッジは、内部にポートとMACアドレスを関連付けた表(テーブル)を保持しています。これをMACアドレステーブルといいます。

ブリッジは、宛先MACアドレスを持つノードが、フレームを受信したポートの先にあるか、それとももう1方のポートの先にあるかを、MACアドレステーブルの情報をもとに判断します。

 フィルタリング
宛先ノードがフレームを受信したポートと同じネットワーク上にある場合、もう1方のポートに転送する必要はないと判断できます。その場合、ブリッジはもう1方のポートには転送を行いません。これをフィルタリングといいます。

 
 

図 39 フィルタリング

 
 

 
 

 フォワーディング
また、宛先ノードがフレームを受信したポートとは別のネットワーク上にある場合、もう1方のポートに転送する必要があると判断できます。その場合、ブリッジはもう1方のポートにフレームを転送します。これをフォワーディングといいます。

 
 

図 40 フォワーディング

 
 

 
 

 スイッチングHUBおよびL2スイッチによるフレーム伝送
スター型トポロジで使用するスイッチングHUBおよびL2スイッチは、ブリッジより多くのポートを持っています。また、ブリッジと同様に、MACアドレステーブルを保持しています。

 
 

図 41 MACアドレステーブル(スイッチングHUBおよびL2スイッチ)

 
 

 
 

スイッチングHUBおよびL2スイッチは、宛先MACアドレスを持つノードがどのポートの先にあるか、MACアドレステーブルの情報をもとに判断して伝送します。
スター型の接続形態では、ポートとMACアドレスが1対1で対応します。そのため、フレームは宛先のノードにのみ転送されます。

  • スイッチは転送先のポートを識別するが、ブリッジは「受信側のポートにいるかどうか」しか識別しない。
  • ブリッジはソフトウェア主体(自前のCPU)で判断するため処理が低速。スイッチはハードウェア(MACアドレス学習や転送といったスイッチング処理ごとに用意されたICチップ)で判断するため処理が高速。
  • ブリッジは基本的に2ポートしかない。スイッチは3ポート~数百のポートを持てる。(ポート密度が高い)

 コリジョンドメインとブロードキャストドメイン
データリンク層の接続装置は、フレームのMACアドレスを検証し、自身が持つMACアドレステーブルを参照して、次のフレームの転送先を指定します。フィルタリングやフォワーディングを行うことによって、コリジョンドメインを分割します。

 コリジョンドメイン

コリジョンドメイン(Collision Domain)とは、ネットワークにおいて衝突(Collision)が起こりうる範囲のことをいいます。
物理層レベルの接続装置であるリピータで2つのネットワークを中継している場合、中継された2つのネットワークは単一のネットワークとみなされます。そのため、フレームは両方のネットワークに流されることになり、フレームの衝突もネットワーク全体で起こりうると考えることができます。

  • コリジョンの伝わる範囲をコリジョンドメインという。(セグメントと呼ぶこともある)
  • レイヤ1デバイス(ハブ、リピータ)はすべて半二重通信となるため、接続するすべてのリンクがコリジョンドメインとなる。カスケード接続(ハブとハブの接続)するとコリジョンドメインはさらに拡大する。
  • コリジョンドメインが広いとコリジョンの発生が上がり、再送処理が増えパフォーマンスが低下する。
  • 全二重通信ではコリジョンは発生しないがコリジョンドメインの範囲とされている。

 
 

図 42 リピータ中継時のコリジョンドメイン

 
 

 
 


また、スター型で利用されるHUBでネットワークを中継した場合も同様に、フレームはネットワーク全体に流されます。そのため、ネットワーク全体がコリジョンドメインとなります。

 
 

図 43 HUB中継時のコリジョンドメイン

 
 

 
 

データリンク層レベルの接続装置であるブリッジで2つのネットワークを中継する場合は、ブリッジがフレームの宛先MACアドレスによりフィルタリングおよびフォワーディングを行います。ブリッジによりフィルタリングが行われると、片方のネットワークのみにフレームが伝送され、衝突が起こりうる範囲が限定されます。

 
 

図 44 ブリッジによるコリジョンドメインの分割

 
 

 
 

  • レイヤ2デバイス(レイヤ3デバイスも含む)はMACアドレスから適切なポートのみにデータを送信するという特性から、ポート毎にコリジョンドメインを分割するという特性を持つ(ブリッジはもともとその目的で作られた)。
  • 1つのスイッチポートにつき1つホストを接続することでコリジョンドメインを最小分割することをマイクロセグメンテーションという。

また、スター型で利用されるスイッチングHUBおよびL2スイッチでは、コリジョンドメインがポートごとに分割されます。つまり、スター型ではコリジョンドメインはケーブル1本分に限定されます。

図 45 スイッチングHUBおよびL2スイッチによるコリジョンドメインの分割 

 
 

 
 

  • 1つのスイッチポートにつき1つホストを接続することでコリジョンドメインを最小分割することをマイクロセグメンテーションという。

 ブロードキャストドメイン

ブロードキャストドメイン(broadcast domain)とは、ブロードキャストが届く範囲をいいます。
ネットワークの通信では基本的に宛先は1つのノードが指定されますが、場合によって、複数の通信相手が同時に指定されることがあります。このような通信をキャスト通信といいます。

キャストのうちの1つに、すべてのノード宛を指定して同時にフレームを送信する方法があります。これをブロードキャストといいます。ブロードキャスト通信は、アドレスのビットをすべて1としたブロードキャストアドレスという特殊なアドレスを宛先に指定します。

データリンク層レベルでは、MACアドレスの48ビットすべてに1を指定したアドレス(FF:FF:FF:FF:FF:FF)がブロードキャストアドレスとなります。このアドレスは、MACアドレスレベルでのブロードキャストアドレスであり、MACブロードキャストアドレスともいいます。また、宛先にMACブロードキャストアドレスが指定された通信を、MACブロードキャストといいます。

ブリッジで中継されているネットワークに、宛先にMACブロードキャストアドレスが指定されたフレームを送信すると、ネットワークの全ての方向に伝送され、ブリッジにも届きます。

ブリッジは宛先MACアドレスにMACブロードキャストアドレスがセットされていることを読み取り、自身のMACアドレステーブルを参照します。ところが、MACアドレステーブルにMACブロードキャストアドレスがセットされることはないため、ブリッジは転送先を指定できず、すべてのポートにフレームを転送してしまいます。これをフラッディング(flooding)といいます。

このように、ブリッジで中継されたネットワークでは、ブロードキャストドメインを分割できません。


同様に、スイッチングHUBおよびL2スイッチで中継されたネットワークでも、MACブロードキャストはフラッディングされ、ブロードキャストドメインを分割できません。

このように、データリンク層レベルの接続装置では、MACブロードキャストを分割できず、フラッディングします。つまり、データリンク層レベルで扱うネットワークの単位は、コリジョンドメインということがいえます。また、ブロードキャストドメインを分割するには、ネットワーク層レベルの接続装置が必要です。

レイヤ3レベルの接続装置

レイヤ3レベルの接続装置は、OSI基本参照モデルのネットワーク層の機能によりネットワークを中継します。ネットワーク層では、発信元のノードから最終目的地のノードまでのデータ伝送路を提供し、End-to-End通信を実現します。
ネットワーク層では、それぞれのホスト(ノード)は、割り当てられているIPアドレスを使って識別されます。レイヤ3レベルの接続装置は、エンドノードを識別するIPアドレスをもとに、自身が持つ経路情報(ルーティングテーブル)から、次の転送先を決定し、パケットを転送します。
レイヤ3レベルの接続装置には、ルータやL3スイッチなどがあります。

 コリジョンドメイン・ブロードキャストドメインの分割
ネットワーク層レベルの接続装置では、コリジョンドメインおよびブロードキャストドメインを分割します。


図 48 レイヤ3レベル接続装置によるコリジョンドメイン・ブロードキャストドメインの分割

  • L3スイッチはネットワーク層(パケットの処理)に対応できるようL2スイッチを改良したもののイメージ。このためイーサーネットでの使用が中心となる。
  • ルータはイーサネットのみならず様々なWANサービスに対応するネットワーク接続の万能選手。
  • 開発が進んで現在は双方のデメリットが小さくなっており、その差が曖昧になってきている。

ネットワーク層で扱うネットワークの単位は、ブロードキャストドメインです。TCP/IPでは、同じブロードキャストドメインに存在するホスト(ノード)を同一ネットワークとみなし、同じネットワークアドレスを割り当てます。また、異なるブロードキャストドメインに存在するホストは、別のネットワークとみなし、異なるネットワークアドレスを割り当てます。
(※ルーティングについては、次章「TCP/IP」で詳しく取り扱います。)

無線LAN

無線LANとは
無線LANとは、ケーブルを用いないで構成された、空気中に存在する電波を媒体とするLANのことです。無線LANでは、ケーブルの代わりに電波を用いて、電波に電気信号を重ね合わせて波形を生成して通信します。

無線LANの規格は、1997年に最初の無線LAN規格が登場して以来、IEEE802.11ワーキンググループ(WG)により標準化されています。主なIEEE802.11規格は以下のとおりです。

規格 標準化年 周波数帯域 最大伝送速度 備考
802.11 1997年 2.4GHz帯 2Mbps
802.11a 1999年 5GHz帯 54Mbps
802.11b 1999年 2.4GHz帯 11Mbps 最も普及した無線LAN規格
802.11g 2003年 2.4GHz帯 54Mbps
802.11n 2009年 2.4/5GHz帯 600Mbps Wi-Fi 4
802.11ac 2013年 5GHz帯 6.9Gbps Wi-Fi 5
802.11ax 2021年※ 2.4/5/6GHz帯 9.6Gbps Wi-Fi 6 ※2021年に標準化予定
図 49 主なIEEE802.11規格

無線LAN(とWiFi)

  • 無線LANとはケーブルがなくてもインターネットに接続できるシステムのこと。
  • Wi-Fiとは無線LANネットワークの中の、ひとつのシステムになります。

メモ

世の中に無線LAN技術を採用した製品が出たばかりの頃は、製品間の相互接続が保証されておらず、うまく通信しないことが多くありました。そのため、Wi-Fi Allianceという団体が異なるデバイス間で問題なく無線通信できることを試験し、それを証明するものとしてWi-Fiマークが使われました。そのマークが一般化し、Wi-Fiイコール無線LAN技術のように使われています。

無線LANの構成要素

無線LANの構成要素は、有線LANと媒体が異なるため、関連する機器が異なります。

 コンピュータ
無線LANで使用されるコンピュータは、ノート型コンピュータやデスクトップ型コンピュータ、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット端末)などがあります。各機器は、無線LAN対応のNICを内蔵しています。

 NIC
無線LAN対応のNICは、アンテナにより電波に乗せて伝送される波形を受信して電気信号に変換したり、電気信号を波形に変換してアンテナから送信したりする仕組みを持ちます。

 伝送媒体
無線LANではケーブルが使用されず、空気中に存在する電波が伝送媒体となります。

 アクセスポイント
アクセスポイント(access point)は無線LANで利用する機器です。有線LANおよび無線LAN双方のインタフェースを備えていることがほとんどであり、有線LANと無線LANを中継して接続します。

 
 

図 50 アクセスポイント
 
 

 
 

ほとんどのアクセスポイントの有線側には、スイッチングHUBの機能が備えられており、データリンク層レベルでネットワークを中継します。そのため、有線接続された機器と無線接続された機器は同じブロードキャストドメイン(同一ネットワーク)として扱います。

また、アクセスポイントはルータとしての機能を実装していることが多く、アクセスポイントのWANポートから他の接続機器と接続することにより、異なるブロードキャストドメインとパケットの中継ができます。

無線通信の概要

電波の概要
電磁波とは
電磁波とは、電界(電気の力が働く場所)と磁界(磁気の力が働く場所)の変化を伝搬する波のことを指し、これらの波がセットとなって連続して発生し、互いに直交して進む性質を持っています。また、波が発生して次の波が来るまでに進む距離を「波長」といい、1秒間に波が発生する数を「周波数」といいます。周波数は、Hz(ヘルツ)という単位で表します。

電磁波が放射されると、光の速さで周囲に伝わります。波長は光の速度を周波数で除算した値です。光の速度は固定のため、周波数が高くなるにつれ、波長は短くなる特徴があります。また、電磁波は、電離(イオン化)作用 の可否により、電離放射線と非電離放射線に分けられます。
電離放射線は、波長が0.01nm(ナノメートル)から380nmまで、周波数が3000THz(テラヘルツ)以上の電磁波で、強い量子エネルギーを持っていて、原子の中から電子を弾き飛ばす電解作用を起こします。γ(ガンマ)線やX線、紫外線など、人体にとって非常に危険な電磁波です。

また、非電離放射線は、波長が380nmから0.1mmまで、周波数が3000THz以下の電磁波で、周波数が低いため、電解作用を引き起こすことがありません。可視光線や赤外線、電波が含まれます。

 電波とは
電波とは、周波数が3THz以下の電磁波を指します。電波は無線LANも含め、衛星放送やGPS、気象レーダー、ラジオ放送、テレビ放送、携帯電話など、実にさまざまな無線通信で利用されています。

 電波の利用
電波は自然界に存在するものであり、誰でも自由に利用できます。これを誰もが自由に使用すると、紛争となる可能性があるため、電波を送信する電子機器が使用する周波数帯域は、ITU(国際電気通信連合)によって管理されています(周波数の国際配分)。また、特定の周波数帯域については各国の法律に基づいて、自由に利用できるようになっています。日本では、電波法に基づいて総務省が管轄(周波数の割り当て計画など)しています。
周波数による電波は以下のように分類できます。

周波数帯 波長 周波数 主な利用例
超長波(VLF) 10-100km 3kHz-30kHz 海底探査など
長波(LF) 1-10km 30kHz-300MHz 船舶・航空機の航行用ビーコンなど
中波(MF) 100-1000m 300kHz-3MHz ラジオ放送(AMラジオ)など
短波(HF) 10-100m 3MHz-30MHz 短波放送、アマチュア無線など
超短波(VHF) 1-10m 30MHz-300MHz ラジオ放送(FMラジオ)など
極超短波(UHF) 10cm-1m 300MHz-3GHz 携帯電話、地上デジタルTVなど
マイクロ波(SHF) 1-10cm 3GHz-30GHz 衛星通信、無線LAN、気象レーダーなど
ミリ波(EHF) 1mm-10mm 30GHz-300GHz 自動車衝突防止レーダーなど
サブミリ波 0.1mm-1mm 300GHz-3THz 電波望遠鏡による天文観測など
表 6 周波数による電波の分類

無線LANで使用される周波数帯

日本における無線通信は、管轄省庁である総務省が割り当てた周波数帯の電波を使用するようになっています。無線LANでは、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯(予定)の周波数帯が割り当てられています。
周波数帯(MHz) 重複する周波数帯における主な用途
2400-2497 産業科学医療用(ISM)、アマチュア無線、ロボット用無線
5150-5350 気象レーダー
5935-7125(予定) 電通業務(固定・衛星)、放送事業等
表 7 無線LANに割り当てられている周波数帯

 2.4GHz帯
2.4GHz帯の周波数帯域は、無線通信を行うための免許が不要な周波数帯です。無線LAN用途としては周波数が低く、障害物があっても電波が回り込んで遠方まで届きやすいのがメリットです。しかし、無線LANの他に、産業・科学・医療向けの無線通信(ISM)、アマチュア無線、ロボット用無線、電子レンジなどで使用されます。そのため、無線LANでの通信時に電波干渉が起きることがあります。

 5GHz帯
5GHz帯の周波数帯域は、2.4GHz帯と比較すると、比較的電波干渉が少ない帯域です。一部の帯域では気象レーダーと重複することから、屋外での使用が制限されます。また、周波数が高いことから、電波の直行性が強い特徴があり、高速に安定した通信が実現できます。ただし、壁やパーティションなどの障害物があると電波が回り込めずに届かない場所が出る可能性があります。

 6GHz帯
2021年に標準化予定のIEEE802.11ax(Wi-Fi 6)で使用が予定されている新しい周波数帯域です。現在、電信業務や放送事業等に電波が割り当てられています。

<参考>日本の携帯電話に使われる周波数(4G)まとめ

メモ

キャリアで契約したSIMを同時に購入したスマホで使う分には問題ないが、キャリアのSIMを他キャリアのSIMロック解除されたスマホで使う場合や、格安SIMをキャリアのスマホやSIMフリースマホで使う場合、最悪の場合は通信しないことがおきます。

<参考>総務省による電波監視

周波数の利用に関しては世界各国で法律に基づいて決められています。

無線LANにおけるアクセス制御方式

CSMA/CA

無線LANでは、アクセス制御方式としてCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:衝突回避付き搬送波感知多重アクセス)が採用されています。基本的な仕組みは、CSMA/CDと同じですが、無線LANの通信では電波を伝送媒体として利用するため、媒体上で衝突検知ができない点が異なります。
また、CSMA/CAでは前提として、同じアクアスポイントに接続している各ノードが互いの電波を検知できることが前提となっています。

 Carrier Sense(搬送波感知)
CSMA/CD同様、各ノードは常に伝送路上のキャリアを検知しており、伝送上でデータが送信されているかどうかをチェックします。これをCarrier Sense(搬送波感知)といいます。

 Multiple Access(多重アクセス)
伝送路上が空いていれば、いつでも、どのノードでも平等に伝送する権利を持つのも、CSMA/CDと同じです。

 データ送信
ノードがCarrier Senseにより、他のノードがフレームを送信していないことを確認すると、アクセスポイントからランダムな待ち時間が送信され、一定時間待ってからデータが送信されます。この待ち時間をバックオフといいます。

アクセスポイントがフレームを受信すると、フレームを受信したことを確認応答(ACK)として送信元ノードに通知します。送信元ノードがACKを受信すると、先に送信したフレームが届いたことがわかります。

図 55 ACK(確認応答)

 Collision Avoidance(衝突回避)
同じ周波数帯域での他の通信による干渉などにより、伝送路上でコリジョンが発生し、データが破損することがあります。
データのコリジョンが発生すると、再度データ送信する必要がありますが、CSMA/CAによるCarrier Senseでは、干渉によりデータが破損したことを検知することができません。
そこで、送信元ノードは、フレーム送信後一定時間待ってもACKが届かない場合、通信に障害が発生したとみなし、フレームを再送します。

-ネットワーク基礎

© 2021 スタートダッシュ