ネットワークの利用(5章)

コンピュータネットワークの概要

ネットワークとは

ネットワーク(network)とは、日本語では「網」という意味の英単語です。一般的には、「網」そのものを指すこともあれば、ある複数の要素が相互に結びついて網状になったものを指すこともあります。

 
 

 
 
 

 
 

 
 
 

 
 

 
 
 

 
 

 
 
 

 
 

 
 

ITの分野では一般的に、複数のコンピュータや装置などが相互に接続されて、信号やデータなどの情報をやり取りできる網状の構造をコンピュータネットワーク、あるいは単にネットワークと呼んでいます。

図 35 ネットワークのイメージ

Work:ネットワークとは
個人またはグループで演習を行います。「コンピュータネットワーク」以外のネットワークを考えてみましょう。また、そのネットワークはどのような要素が相互に結びついているかを考えて、グループで話し合ってみましょう。
[メモ]

 
 

 
 

ネットワークの利用場面

コンピュータネットワーク(以降、ネットワーク)の利用はすでに私たちの生活に深く普及、浸透し、今や必要不可欠な存在となっています。

Work:ネットワークの利用
個人またはグループで演習を行います。あなたが生活する中で、ネットワーク(コンピュータネットワーク)を、どのような場面で(利用場面)、どんな情報のやり取りのために(目的)、何を使って(方法・手段)利用しているかをいくつか挙げてください。家庭内、学校、職場、友人同士など、具体的な場面を想定して考えてみましょう。

[メモ]

 
 

Work:誰がネットワークを利用するの?
個人またはグループで演習を行います。前の演習では、みなさんがネットワークを利用する場面を考えました。今度は、コンピュータ内部では、何と何が通信しているかを考えてみてください。
コンピュータでネットワークを利用する際に、どのような操作をしているかを考えることがヒントになります。Webサイトを閲覧するとき、メールの送受信をするときなど、まずは具体的な利用場面を想定し、みなさんが普段どのような操作をしているかを考えてみましょう。

[メモ]

 ネットワークの利用

私たちがネットワークを利用せずに生活することは難しくなってきています。
電話やメール、Webサイトの閲覧、SNS(Social Network Service)の利用などは、すべてネットワークを使用しています。また、業務においても、ファイルの共有やプリンタ(ネットワークプリンタ)の利用、業務サーバの利用など、業務効率の向上にネットワークは欠かせないものとなっています。

さらに、生活の中でも、電車やバスでは現在地が、車のナビゲーションでは交通渋滞や事故情報が、それぞれリアルタイムに表示されるようになっています。また、行政や政治の分野でも、政府や地方自治体などが提供するサービスが電子化されています。

このように、ネットワークは私たちの生活をさまざまな面で便利にしてくれるようになりました。特に2011年の東日本大震災以降は、スマートフォンの普及とともにSNSの利用が増加し、電気、水道、ガスなどとともに社会インフラとしても重要な役割を果たすようになっています。

[参考]日本における電子政府

世界各国がコンピュータやネットワークを活用した「電子政府」への取り組みを進める中、日本でも同様の取り組みが推進され、普及しつつあります。

日本では、1994年から電子政府の計画が策定され、2000年にIT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)が制定されました。これに基づいて、「e-Japan戦略」という国家戦略が推進され、これまで書面や対面で行われてきたさまざまな業務が、徐々にコンピュータを利用したものに置き換えられてきました。

さらに、2017年には行政のあり方そのものをデジタル前提として見直す「デジタル・ガバメント推進方針」が策定され、2018年に「デジタル・ガバメント実行計画」が策定されています。これ以降も国の行政機関等の情報システムの整備にともなって改定が進められているところです。

ネットワークの種類

ネットワークは、接続形態や設置場所などにより、それぞれいくつかの種類に分類できます。そのうち主なものを、以下で説明します。

 接続形態による分類
 スタンドアロン

コンピュータは必ずしもネットワークに接続して利用されるとは限りません。ネットワークに接続せずに、コンピュータが単独でデータ処理する形態をスタンドアロン(Stand Alone)といいます。近年では、重要な情報の流出、漏えいを防止するために、あえてネットワークに接続せずにコンピュータを単体で稼働させることがあります。

図 36 スタンドアロン

スタンドアロン環境で処理するデータは、基本的にコンピュータに内蔵された記憶装置で保存されます。また、他のコンピュータにあるデータを処理する場合には、リムーバブルメディア(持ち運び可能な記憶装置)を利用してデータを移し、処理を行います。

 クライアントサーバ型
クライアントサーバ(Client Server:C/S)型は、クライアントとサーバの2種類の役割を持つコンピュータが相互にやり取りを行い、複数台のコンピュータで効率よく処理を行う形態をいいます。現在主流となっているネットワークの接続形態です。
処理を依頼するコンピュータをクライアントといいます。また、クライアントからの依頼を受けて処理を実施し、結果をクライアントに返すコンピュータをサーバといいます。

図 37 クライアントサーバ(C/S)型

 ピアツーピア型
ピアツーピア(Peer to Peer:P2P)型は、コンピュータを1対1で接続して相互に通信する形態です。物理的に1対1で接続する場合もありますが、一般的には、複数台が相互に接続されている状態で、コンピュータ同士が他のコンピュータを仲介せずに1対1で通信することを指します。

図 38 ピアツーピア(P2P)型

 設置場所による分類
ネットワークは設置場所により、LANとWANに大きく分けることができます。

 
 

 
 

 
 

 
 

 LAN
LAN(ラン:Local Area Network)は、組織内や家庭内、同一建物内などの比較的狭い範囲で構築されるネットワークです。LANは利用者自身で敷設されるネットワークです。構築に必要な機器は利用者自身で入手する必要がありますが、構築したLANを使用する際の通信費用は支払う必要がありません。また、LANが通信不可になるなど、トラブルが発生した場合は利用者自身で対応する必要があります。

図 39 LANのイメージ

 WAN
WAN(ワン:Wide Area Network)は、拠点間や都市間などの物理的に離れた区間を接続するネットワークです。一般的に、通信事業者(キャリア)が提供する通信回線を契約して利用します。WANは通信事業者側で構築し、利用者はキャリアと回線の利用契約を結んで利用します。WANでトラブルが発生した場合は、通信事業者が対応します。

図 40 WANのイメージ

Work:LANとWAN
個人で演習を行います。以下で記述される用途で使用されるネットワークは、LAN、WANのどちらでしょうか。前ページの説明を参考に解答を選択し、その理由を書いてみましょう。
① 自分のPCと同居している家族のPCの間で、いつでもファイルのやり取りができるようにしている。

 
 

② 会社では従業員同士のPCでファイルが共有できるようにしている。

 
 

③ 処理能力の高いコンピュータは機密情報を扱うため、スタンドアロンで構成されている。

 
 

④ 東京にある本社と各支店間は、業務PCを使って相互に通信できるようになっている。

 
 

⑤ 最近、寝る前に友人とスマートフォンのSNSアプリで会話するのが日課になっている。

 
 


 利用者による分類

 クローズドネットワーク(プライベートネットワーク)

クローズドネットワークとは、インターネットとは接続せず、一般的には同じ組織に所属する社員、拠点間などで利用する、限定されたネットワークです。
インターネットと接続しないため、同じ組織間で安全な(セキュアな)通信が可能ですが、他の組織とは通信できません。

 オープンネットワーク(パブリックネットワーク)
オープンネットワークとは、インターネットと接続することにより、世界中にあるコンピュータと相互通信可能なネットワークです。

インターネットは誰でもアクセスできるネットワークであるため、不正に組織内やコンピュータ内に侵入される可能性があるため、注意が必要です。

 
 

Work:インターネットの定義
個人またはグループで演習します。ずばり、インターネットとは何でしょうか。どのようなネットワークをインターネットと呼ぶでしょうか。できれば、グループでインターネットの特徴を考えられるだけ挙げてみましょう。

[メモ]

[参考]インターネットとは

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
☆その原因を特定する流れを検討してみてください!

 
 

みなさんのほとんどが、「インターネット」という言葉を聞いたことがあるはずです。そして、毎日「ネット」を利用しているはずです。ここでは、IT業界での「インターネット」の定義について考えてみましょう。

インターネットの定義として、大きく2点の特徴があります。

1つは、「世界規模の巨大なネットワーク」であることです。コンピュータがネットワークに接続され、そのネットワークはさらに大きなネットワークと接続され、最終的に、世界中にあるネットワーク同士が接続する巨大なネットワークができあがります。これが、インターネットです。インターネットは、身の回りにある小さな規模のネットワークから、都市間を結ぶ大規模のネットワークを含むことから、「ネットワークのネットワーク」と呼ばれます。

もう1つは、「TCP/IPプロトコルを使用」することです。インターネットを利用するコンピュータは、「TCP/IP」というプロトコル(通信ルール)に基づいて通信を行います。つまり、TCP/IPはインターネットで標準(standard)として利用されるプロトコルなのです。

このように、インターネットを簡単にいうと、「TCP/IPプロトコルを使用する、世界規模の巨大なネットワーク」と定義できます。ちなみに、インターネットはもともと、「コンピュータがネットワーク(net)に相互(inter)接続されたもの」という意味の普通名詞として使用されていました。現在のインターネットはこれと区別したものとして、英語では固有名詞(the Internet)として扱われています。


図 41 インターネットのイメージ

 
 

 
 


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