ネットワークの構成(6章)

ネットワークの構成

 
 

ネットワークの構成要素

ネットワークを構成するには、以下のような装置や部品が必要となります。

 コンピュータ

 

ネットワークに接続するコンピュータには、ネットワークに接続するためのハードウェアの他に、ソフトウェアとして、ネットワーク対応のOS(NOS:Network Operating System)がインストールされている必要があります。Windows、macOS、UNIX、Linuxなどの主要OSは、すべてネットワークOSです。

 
 

 NIC
コンピュータがネットワークに接続するための装置をNIC(Network Interface Card)といいます。また、コンピュータとネットワークの接続点をネットワークインタフェースといいます。以前はコンピュータ本体に通信機能が用意されていなかったため、接続するネットワークインタフェースに合わせた拡張カードを挿入して利用していました。
現在では、ネットワークに接続して利用するコンピュータが一般的であるため、NICはコンピュータ本体に内蔵されていることがほとんどです。また、コンピュータはLANに直接接続することがほとんどであることから、一般的にLANに接続するためのインタフェースのことをNICと呼んでいます。


図 42 NIC(ラックサーバ内蔵型)

 
 

 伝送媒体
媒体とは、あるものを伝えるために仲介する物質などを指し、メディアともいいます。ネットワークの分野では、コンピュータが通信相手にデータを伝えるための媒体を指し、これを伝送媒体と呼んでいます。

伝送媒体は大きく有線(ケーブル)無線に分けることができます。

有線通信では、銅線(メタルケーブル)やガラス繊維など(光ファイバケーブル)の伝送媒体(芯線)を通して信号を送受信します。また、無線通信では、空気中に存在する電波を媒体として、信号を電波に乗せて伝送します。


図 43 伝送媒体(左:メタルケーブル、右:光ファイバケーブル)

 
 


 コネクタ
コネクタは、コンピュータとネットワークを接続するために、ネットワークの接続点であるネットワークインタフェースに装着されるハードウェアです。ケーブルの両端に装着し、NICと接続して使用します。基本的に、装着するケーブルの種類や形状によって、使用するコネクタは異なります。

 
 

 主なコネクタ

RJ-45(Ethernet用ケーブル)、RJ-11(電話用ケーブル)

 接続装置
接続装置とは、データをやり取りする機器(コンピュータなど)を中継する装置です。コンピュータと接続装置、または接続装置間をケーブルで接続することによって、伝送距離を延長できます。また、接続装置は複数のNICを備えているため、複数のコンピュータを接続できます。これにより、ネットワークの規模を拡張できるようになります。

 主な接続装置


HUB

 
 


スイッチングHUB、L2スイッチ

 
 


ルータ

 
 


L3スイッチなど

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 プロトコル

プロトコルとは、コンピュータが通信する際に通信相手のコンピュータとの間でデータをやり取りするためのルール(通信規約)です。
このルールについては、人間の会話に例えられることが多く見られます。会話の相手が自分と異なる言語で会話しようとする場合に会話が成立しないのと同じく、コンピュータ間でも使用するプロトコルが異なると通信が失敗します。

 
 

 プロトコルの一致

実際の通信では、送信側のコンピュータから出力したデータは、複数ビットのまとまり(ビット列)としてケーブルなどの媒体を介して通信されます。受信側では送信されたビット列を受け取り、先頭のビットから順に読み取っていき、いくつかのビットのまとまりで区切って処理します。その際に、送信側と受信側でビットの処理方法が異なる場合は、データの送受信がうまくいかず、通信が失敗します。

そういったことから、通信相手は互いに同じプロトコルを実装(インストール)している必要があり(プロトコルの一致)、その場合でのみ、送信側のデータが正しく受信されます。

 
 

 プロトコルの仕様

ネットワークで通信するためのプロトコルは、異なるベンダ(製造元)の機器間であっても問題なく通信できるように、共通のルールとして作られて(策定されて)います。

このような共通のルールを策定することを、標準化といいます。
標準化の仕様は、ISO(国際標準化機構:International Organization for Standardization)やITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門:International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)などの標準化団体によって策定されます。

 
 

 
 

 
 

 
 

標準化された通信プロトコルは、主に物理的条件(ケーブル、コネクタ、電気特性など)や通信手段、通信相手の特定(アドレス情報など)、情報の表現方法などが記述されています。


Work:プロトコル
個人あるいはグループで演習します。プロトコルに関するイメージを高めるため、以下の点について考えてみましょう。
① コンピュータは複数のプロトコルを実装することが可能でしょうか。

② 複数のルールを1つのプロトコルにまとめた場合に、考えられるメリットとデメリットを挙げてみましょう。
 メリット

 デメリット

Work:標準化
個人あるいはグループで演習します。IT分野以外での標準化の例を考えてみましょう。また、標準化がされない場合、どのような影響が考えられるか、グループで話し合ってみましょう。

演習:ネットワーク機器の接続(物理接続)

グループで演習を行います。講師の指示にしたがって、研修用PCと接続機器間をケーブルで接続しましょう。
演習で使用する機器を確認します。

 使用する機器
 研修用PC
 配布物
 スイッチングHUB(またはL2スイッチ) 1台/グループ
 LANケーブル 1本/人

① ケーブルをスイッチングHUB(L2スイッチ)に接続します。ケーブルを挿す場所(ポート)は複数ありますが、どのポートに接続しても構いません。
② ケーブルのもう片方を、研修用PCに接続します。
③ 接続が完了したら、ネットワークの構成要素がすべて揃っているか確認しましょう。

 
 

「Cisco Packet Tracer(パケットトレーサー)」

今回はネットワーク構築の練習が可能なシミュレーターツール
Cisco Packet Tracer(パケットトレーサー)を使って確認します。

実際のネットワーク機器を扱った経験を積むことができる、インフラエンジニアにとっては大変価値のあるツールです。

ここまでの作業が終了すると、PCが物理的にネットワークに接続されている状態となります。ただし、物理的に接続したからといって、すぐに通信できるわけではありません。別途、PC側でネットワーク通信を行うための設定が必要です。

 
 

☆☆ 第8章で、設定および疎通の確認をします。☆☆

 
 

トポロジ

ネットワーク上での機器間の接続形態をトポロジといいます。トポロジは使用するケーブルや、ケーブル内でのデータの流し方(制御方式)などによって、いくつかの形態があります。主なトポロジを以下で解説します。
 
 


 
 

 バス型
 
 

 
 

バス型は、1本の基幹ケーブルに複数台のコンピュータ(ノード)が接続される形態です。複数の基幹ケーブルを接続装置でつなぐことによって、大規模なネットワークを構成できます。幹線ケーブルには、1本1芯の同軸ケーブルを使用します。
あるノードが通信を行うと、データはネットワーク内のすべての方向に流されます。基幹ケーブルのすみずみにも信号が流れていきます。ケーブル両端に届いた信号はターミネータ(終端装置)が吸収し、信号が反射して電気信号が破損しないような仕組みになっています。
あるノードが故障した場合の影響は限定的ですが、基幹ケーブルが故障すると通信不可となります。

図 45 バス型

 リング型
 
 

 
 

リング型は、ノード同士を1対1でリング状に接続する形態です。リング内は一定方向にデータが流れるようになっており、あるノードから送信されたデータは隣接ノードへ順番に送られていきます。
リング内を流れる速度を上げることによって、バス型と比較して高速化が実現できますが、ノードまたはケーブルのいずれかが故障した場合は、いずれも通信不可となります。

図 46 リング型


 スター型
 
 

 
 

スター型は、ケーブルをノードと対向する集線装置(HUB、スイッチなど)に接続する形態です。企業や家庭内で設置されるLANはほとんどスター型であり、現在主流となっている接続形態です。
ノードやケーブルの故障による影響は限定的ですが、集線装置が故障すると、接続しているすべてのノードが接続不可となります。

図 47 スター型

Work:トポロジの確認
現在、グループで構成しているネットワークのトポロジは、どの接続形態でしょうか。それぞれの接続形態の特徴を踏まえて、説明してみましょう。

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