LAN を構成する機器(2章)

LANのトポロジ

バス型

バス型は、1本の基幹ケーブルに複数台のノードが接続される形態です。複数の基幹ケーブルを接続装置でつなぐことによって、大規模なネットワークを構成できます。幹線ケーブルには、1本1芯の同軸ケーブルを使用します。
あるノードが通信を行うと、データはネットワーク内のすべての方向に流されます。基幹ケーブルのすみずみにも信号が流れていきます。ケーブル両端に届いた信号はターミネータ(終端装置)が吸収し、信号が反射して電気信号が破損しないような仕組みになっています。
あるノードが故障した場合の影響は限定的ですが、基幹ケーブルが故障すると通信不可となります。

図 19 バス型

  • バスと呼ばれる一本の同軸ケーブルに複数のノードを接続するトポロジをバス型トポロジという。
  • バスの終端には電気信号の反射によるノイズを防ぐターミネータ(終端抵抗)が取り付けられている。
  • 1か所でも断線すると全体が機能しなくなり、拡張性も低いため現在はあまり使われない。

リング型

リング型は、ノード同士を1対1でリング状に接続する形態です。リング内は一定方向にデータが流れるようになっており、あるノードから送信されたデータは隣接ノードへ順番に送られていきます。
リング内を流れる速度を上げることによって、バス型と比較して高速化が実現できますが、ノードまたはケーブルのいずれかが故障した場合は、いずれも通信不可となります。

図 20 リング型

  • ノード同士を輪のようにつなげたトポロジをリング型トポロジという。
  • トークンという信号が周回しており、これを受け取ったノードのみがデータ送信可能になる。
  • 順番に送信していくためトポロジ内でデータの衝突は発生しない。

スター型

スター型は、ケーブルをノードと対向する集線装置(HUB、スイッチなど)に接続する形態です。企業や家庭内で設置されるLANはほとんどスター型であり、現在主流となっている接続形態です。
ノードやケーブルの故障による影響は限定的ですが、集線装置が故障すると、接続しているすべてのノードが接続不可となります。


図 21 スター型

  • 1つの集線装置(ハブ)を中心にノードを接続するトポロジをスター型トポロジ(またはハブアンドスポーク)という。
  • 扱いやすく耐障害や拡張性に優れるため、現在のLAN構築で最も一般的に使用されるトポロジである。
  • 大量ノードに対応するためハブ同士を接続してスター型トポロジを拡張させることがあり、これを拡張スター型トポロジという。

Ethernetの概要

Ethernetとは
Ethernet(イーサネット)とは、デファクトスタンダード(事実上の標準)として利用されている、最も普及している有線LANの規格です。OSI基本参照モデルの物理層およびデータリンク層の機能が定義されています。

  • イーサネット(Ethernet)は物理層~データリンク層を規定するコンピュータネットワーク規格の一つ。
  • LANの物理層~データリンク層はほとんどがイーサネット規格で設計されている。現在ではLANだけでなくWANにも広がるなど、ネットワークの発展とともに進化し続けている規格である。

Ethernetはもともと、1980年にDEC社(現HP社)など3社が共同で発表した規格がベースとなっています。以降、機能拡張という形で改訂を続けており、以下のようなさまざまな規格が登場しています。これらの規格は、伝送速度や利用するケーブルが異なります。このような技術仕様の違いは、OSI物理層(第1層)に相当するものです。
 
 

 
 

現在は、IEEE802.3ワーキンググループ(WG)によって標準化されており、技術仕様が公開されています。

  • IEEEはデータリンク層を更にMAC副層(Media Access Control)とLLC副層(Logical Link Control)に
      分けた
  • MAC層ではケーブルや無線といった伝送媒体に依存するフレームの伝送方式に関するルールを定義。イーサネットはIEEE802.3無線LANはIEEE802.11といった具合で媒体ごとに規格が定義される。
  • LLC副層は媒体に依存しないIEEE802.2という共通規格を定義

Ethernetの規格名称

Ethernetの規格名称は、技術仕様による命名規則があります。例えば、「1000BASE-T」という名称の規格は、「1000」「BASE」「T」の3つの部分に分けることができ、それぞれ、伝送速度、伝送方式、ケーブル種等を表しています。

図 22 Ethernetの規格名称

  • IEEE802.3では伝送媒体に応じて様々な企画が用意されている。
  • 規格の命名は「通信速度」、「伝送方式」、「ケーブルの種類」の3分で構成される。

伝送速度
上記の「1000」は、Ethernet規格における最大伝送速度を表しています。LANに限らずネットワークの速度は、何個のビットを1秒間に送信できるかによって表現します。
Ethernetの規格では、この値が1000までは、単位はMbps(Mega bit per second:メガビット/秒)で表現します。上記の例では値が1000なので、1000Mbps(=1Gbps)、つまり、1秒間に1,000,000,000ビットのデータを伝送できることになります。
また、値が1000以上では、10G、100Gなどのように、補助単位のG(ギガ)が付けられ、10GBASE、100GBASEなどのように表します。

伝送方式
上記の「BASE」は、規格で定められている伝送方式を表します。伝送方式とは伝送路に電気信号を流すための方法です。伝送方式には、ブロードバンド伝送方式(「広帯域幅」という意味であり、「高速」ではない)と、ベースバンド伝送方式の2種類があります。このうち、Ethernetではベースバンド伝送方式が採用されており、Ethernetの規格ではすべて「BASE」となります。

上記の「T」の部分には、規格によってさまざまな文字や数字が表記されます。

ケーブル種等

「5」または「2」:Ethernetの伝送距離を表します。
「5」…10BASE5の伝送距離(500m)
「2」…10BASE2の伝送距離(185m≒200m)
「F」「T」など:ケーブルの種別を表します。
「F」…光ファイバケーブル
「T」…ツイストペアケーブル

 
 

 
 

OSI 参照モデルや TCP/IP モデルにおける各機器の位置づけ


 
 

 
 

接続装置

接続装置とは
接続装置とは、LAN内のノード間や、LANとLANの接続(LAN間接続)を中継する機器です。接続装置には、OSI基本参照モデルの物理層(第1層、レイヤ1)、データリンク層(第2層、レイヤ2)、ネットワーク層(第3層、レイヤ3)の機能をサポートする装置があり、どの階層の機能をサポートするかにより、接続装置の動作や中継するネットワークが異なります。
主な接続装置は、以下のようなものがあります。


 
 

レイヤ1レベルの接続装置

レイヤ1レベルの接続装置は、OSI基本参照モデルの物理層の機能によりネットワークを中継します。物理層では、伝送路上にビット列を伝送するための物理的・電気的条件を規定しています。
EthernetなどLANの規格では、ケーブルの種別などにより最大伝送距離が定義されています。ケーブル内を流れる電気信号は、伝送距離が長くなるにつれ、媒体の抵抗や外部からのノイズなどにより信号が減衰するためです。レイヤ1レベルの接続装置は、減衰した電気信号を受信して増幅、復元し、装置を越えた先のケーブルへと中継することにより、規格で定められた最大伝送距離を延長したネットワーク通信を可能にします。

なお、レイヤ1レベルの接続装置によって中継されたネットワークは、電気的に延長されただけであり、単一のネットワークとしてみなされます。そのため、あるノードが送信したフレームは、リピータによって接続されたネットワーク全体に届けられます。
レイヤ1レベルの接続装置には、リピータ(バス型)やHUB(スター型)があります。


図 34 リピータ

  • リピータはリピータ機能(波形の増幅・再生)のみを持ったレイヤ1で動作するネットワーク機器。言ってしまえば終戦機能しか持たないハブ。


図  HUB
 
 

レイヤ 2 スイッチ(スイッチングハブ)


 
 

 
 

 
 



レイヤ2レベルの接続装置

レイヤ2レベルの接続装置は、OSI基本参照モデルのデータリンク層の機能によりネットワークを中継します。データリンク層では、ケーブルなどで直接接続されたノード間同士が通信できるための隣接ノード間通信の機能を規定しています。

リピータやHUBなどのレイヤ1レベルの接続装置は、単純にネットワークを延長する機能しか持ちませんが、レイヤ2レベルの接続装置は、隣接ノードを識別するアドレス情報をもとに、隣接ノード間通信において通信相手を識別できます。

Ethernetでは、各ノードはMACアドレスで識別されており、相手のMACアドレスを宛先に指定することにより、データ(フレーム)を宛先ノードに届けることができます。レイヤ2レベルの接続装置は、フレームを受信すると、フレームに記述された宛先MACアドレスを読み取って、宛先のノードが接続している先へとデータを伝送します。

レイヤ2レベルの接続装置には、ブリッジ(バス型)やスイッチングHUB(スター型)、L2スイッチ(スター型)などがあります。

  • ブリッジやスイッチといったL2デバイスはL1デバイスと違いフレームを読み取ることからMACアドレス、つまりノードを識別するための情報を扱うことができる。
  • これを学習することにより、送る必要のないノードには送らないといった制御ができるようになる。
  • フレームのフィルタリング・フォワーディング
  • レイヤ2レベルの接続装置は、レイヤ1レベルの接続装置と比較して効率的にフレームを伝送できます。

    • スイッチもブリッジも宛先MACアドレスがどのポートに接続されているかを判断し、接続のあるポートにのみフレームを転送する。これをフィルタリングと呼ぶ。
    • フィルタリングはハブの機能にポートを閉じる機能が加わったものとイメージするとよい。
  • ブリッジによるフレーム伝送
  • バス型トポロジで使用するブリッジは、ネットワークを中継するためのポートを2つ持っています。あるノードがフレームを送信すると、あらゆる方向に伝送され、ブリッジにも届きます。ブリッジは、ネットワーク上を流れてきたフレームを受信すると、フレームをもう1方のポートに転送するかどうかを判断するために、フレームヘッダに記述された宛先MACアドレスを読み取ります。
    また、ブリッジは、内部にポートとMACアドレスを関連付けた表(テーブル)を保持しています。これをMACアドレステーブルといいます。

    ブリッジは、宛先MACアドレスを持つノードが、フレームを受信したポートの先にあるか、それとももう1方のポートの先にあるかを、MACアドレステーブルの情報をもとに判断します。

  • フィルタリング
  • 宛先ノードがフレームを受信したポートと同じネットワーク上にある場合、もう1方のポートに転送する必要はないと判断できます。その場合、ブリッジはもう1方のポートには転送を行いません。これをフィルタリングといいます。

  • フォワーディング
  • また、宛先ノードがフレームを受信したポートとは別のネットワーク上にある場合、もう1方のポートに転送する必要があると判断できます。その場合、ブリッジはもう1方のポートにフレームを転送します。これをフォワーディングといいます。

  • スイッチングHUBおよびL2スイッチによるフレーム伝送
  • スター型トポロジで使用するスイッチングHUBおよびL2スイッチは、ブリッジより多くのポートを持っています。また、ブリッジと同様に、MACアドレステーブルを保持しています。

    スイッチングHUBおよびL2スイッチは、宛先MACアドレスを持つノードがどのポートの先にあるか、MACアドレステーブルの情報をもとに判断して伝送します。
    スター型の接続形態では、ポートとMACアドレスが1対1で対応します。そのため、フレームは宛先のノードにのみ転送されます。

    • スイッチは転送先のポートを識別するが、ブリッジは「受信側のポートにいるかどうか」しか識別しない。
    • ブリッジはスフとウェア主体(自前のCPU)で判断するため処理が低速。スイッチはハードウェア(MACアドレス学習や転送といったスイッチング処理ごとに用意されたICチップ)で判断するため処理が高速。
    • ブリッジは基本的に2ポートしかない。スイッチは3ポート~数百のポートを持てる。(ポート密度が高い)



無線 LAN アクセスポイント


 
 

ルーター


 
 

ルーターの用途


 
 

 
 

ルーターとルーティング(IP ルーティング)


 
 

 
 

 
 

ルーターとデフォルトゲートウェイ(DGW:Default Gateway)


 
 

演習 2-1 デフォルトゲートウェイの意味

 
 

演習 2-2 traceroute(tracert)コマンド


 
 

レイヤ 3 スイッチ


 
 

ブロードバンドルーター(Should)


 
 

ファイアウォール(Should)


 
 

 
 

 
 

演習 2-3 Web プロキシサーバーの利用 (Should)

 
 

ネットワークの構成例(Should)

 
 

代表的な WAN サービスとインターネット VPN (Option)


 
 

 
 

WAN サービスを使用する例

 
 

インターネット VPN


 
 

2 章のまとめ


 
 

章末問題

-ネットワーク入門

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